ここから自伝が始まります。普通の人の自伝のなにが面白いのか。
時系列ではなく切り口で進めます。
場面緘黙、摂食障害、「障害児」育児、認知症介護、クィア、芥川賞候補、パターナリズムなど……。
あとは、「私はノンバイナリーです」というのがトピックになるかもしれませんが、しかしながら、まあ、普通の人生です。男性が「自分は男性だ!」と自覚してに男性になったり、男性であることを克服する物語を進めているというわけではないのと同様、私もただの日々を生きております。人生はいたって普通です。そのため、人生の面白さではなく、文章の面白さでページをめくってもらおうと企んでおります。
ただ弱者と強者の間を行き来する日々が書いてあるだけなのに、
なぜか面白い!
山崎ナオコーラやまざき・なおこーら
作家。日常の社会派。福岡県で生まれ、80年代と90年代を埼玉県で子ども時代として過ごし、2000年代から小説やエッセイを書きながら20年ほど東京都に住んだあと、2024年に子どもの小学校のために長野県に引っ越し、長野と東京を行き来しながら「広義の文学」「広義の読書」を言い訳に、読まなくても書かなくても文学をやっているような気分で、電車や車から山並みを眺める二拠点生活を送っている。今は、小学生二人と、認知症のある母と共に暮らしているので、趣味は育児と介護。作家としては、これから一旗あげる。長野に住んでいても全くゆったりとは過ごしておらず、分刻みで作家活動をしている。言っとくけど、書かなくても作家活動。目標は「誰にでもわかる言葉で誰にも書けない文章を書きたい」。
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- 2026.07.30
第一回 優しさの範囲